激動の２０世紀が終わり、世界中の人々が多くの期待と大きな希望をもって２１世紀を迎えました。しかし新しい世紀が始まるとともに、アメリカで同時多発テロが起こり、さらには中東での間断なく引き起こされるテロとその報復戦争が行われ、さらにはインド洋を中心とした津波により多数の人が死に甚大な被害を被っております。翻って、わが国でも年金制度をはじめいろいろな改革が叫ばれてはおりますが、一向に改革は進まず，ますます社会的、経済的な不安が広がっております。 　 近年、わが国ではＩＴ革命が叫ばれパソコンや携帯電話の急速な普及が行われ、情報・通信技術の革新的発展を遂げてまいりました。ＩＴに続く有望な産業としてバイオやナノテク産業が取り沙汰されておりますが、微生物を利用した酒、味噌、しょうゆなどの発酵食品に用いられたバイオテクノロジーは古くから行われております。 　 一方、２１世紀はバイオの時代といわれますが、ではそれを担う人材が確保されているのでしょうか？　大学や専門学校でもバイオに関連する学部、学科などが急増しておりますが、バイオ産業を担おうとする意欲ある人材が輩出しているのでしょうか？ 　 このような状況の中でわたしたちは、バイオ分野の基礎研究から産業に及ぶ幅広い知識と知恵を持った人材を育て、現場に出すこと、さらには将来バイオ分野の産業を担ってくれる若い人たちへの啓蒙を重要な責務と考えております。