弊社は、平成13年10月に設立された若い会社です。私は、20年余りにわたるこれまでの研究生活で培った知識や技術を社会に還元すべく、新しい事業を開始いたしました。現在までのところ、人材派遣および紹介事業に加えならびに人材養成事業を行っておりますが、今後は受託研究にも着手していきたいと思っております。
(1)人材派遣・紹介事業について
派遣についてはこれまで短い経験しかありませんが、その中で仕事をされるスタッフのスキルと、職場である派遣先の担当者のニーズとのミスマッチがいかに多く、いかに溝が大きいかを知らされました。この原因は、両者をつなぐコーディネーターの知識と力量に大きく左右されます。私自身のこれまでの経験をいかんなく発揮し、これらのミスマッチをいかに少なくし、働きやすい職場をより多く提供し、より高い能力のあるスタッフをいかに多く職場に派遣するかを第一に考えております。
紹介については平成17年1月に事業許可が認可されスタートしたばかりです。弊社は特にバイオベンチャー企業とのお取引が多いことから、派遣期間中に良い人材が出てくると正社員としての採用を御考えになる企業の方々が増えて参りました。いわゆる“紹介予定派遣”のシステムです。近年の正社員の採用が少ない状況では、研究職での正社員を希望されている若い方々にとって、まさに救世主といったところでしょうか。企業の皆様にとってもまた仕事を御探しになっている方も、この“紹介予定派遣”のシステムをうまく利用していただきたいものです。
(2)人材養成事業について
これまでの派遣事業の経験から、仕事を求めるスタッフに対する派遣先からの御要望は、一人に対して一つの技術だけでなく多くのものを求めるケースが年々増加していることを実感しております。このことは、例えばDNA抽出やPCRはできるがRNA抽出をやったことがない人とか、浮遊細胞の培養はできるが接着細胞の培養をやったことがない人や、SDS-PAGEはやったことがあるが二次元電気泳動をやったことがない人など、スキルの幅を少し広げることができれば仕事につけるのにと思うことがしばしばありました。
これらの、いわゆる“就業予備軍”の人たちにぜひ良い仕事をしていただきたいと考え、現在、「生涯学習プログラム」を設けバイオ技術コースとして遺伝子技術、細胞培養技術およびタンパク質分析技術の三つの分野について、それぞれ初級および中級レベルの研修を行っております。これらのコースには企業の方々を対象とした企業研修コースとともに、バイオ技術に関心のある一般の方々のためのバイオ体験コースもあわせて行っております。
一方、最近特に小中学生の理科離れが問題になっております。この一因として学校における理科の実験が極めて少なくなっておることが考えられます。知識偏重の理科教育こそ問題であり、実際に手を動かしていろいろな事象を自分の目で見、触ってみて初めて分かることも多いと思います。弊社では若い世代の方々にバイオに興味をもっていただきたいと考え、まずは小学生を対象とした「小学生バイオ実験教室」を開設しました。大学の研究室にしかないような高度な機器を用いて、遺伝子や細胞、体のはたらきなどのさまざまなバイオ体験をしていただきたいと思います。
(3)受託分析事業について
20年余りにわたり行ってきた再生医療、生殖操作、遺伝子操作などの生命工学分野ならびに関連分野における研究をもとに、各種動物のES細胞株の樹立,卵子・胚を含む動物細胞への遺伝子導入と保存など、研究の受託を行うと共に、自社での独自の研究開発を行っていきたいと考えております。また、生命操作などに用いるマイクロマニピュレータ関連の特殊ガラス器具の製造販売も行っております。さらに、弊社からの有能な派遣経験者による医薬品分析の受託についても今後予定しております。
(4)GLP試験支援事業について
医薬品、化学物質、農薬等の製造・輸入には各種安全性試験の実施が義務付けられています。弊社では長年、安全性試験を担当してきた人材を迎え、新しく支援事業部を西東京営業所に開設しました。申請データを得るため安全性試験を受託するGLP適合施設の斡旋・仲介や申請業務などの補助・支援を致します。
以上、私の夢も含めた事業計画と意気込みを書いてみました。
小さな会社ではありますが、特色のあるオンリーワン企業を目指してがんばっております。
ぜひとも皆様方の御理解と御支援、御指導をよろしくお願い申しあげます。
□ □ □
平成17年5月吉日
(株)サイエンス・フロンティアズ
代表取締役社長 岩 崎 説 雄
|